歌舞伎、興味はあるけど敷居が高そう…観に行くのにルールとかあるのかな?
歌舞伎って難しそう…理解できるかな?
今回は、「歌舞伎に興味はあるけど躊躇している方」「歌舞伎って難しそう」と思われている方へ向けた内容です。
少しでも興味を持ってもらったり、一度見に行こうかなという気持ちになってもらえるように、【初心者におすすめ歌舞伎の楽しみ方】についてお伝えします。
- 初めての歌舞伎を楽しむポイント
- 歌舞伎を観劇する前に準備していた方がいいこと
- 劇場でのおすすめの過ごし方
- 話の内容がわからなくても楽しむ方法
あらすじが分かると歌舞伎を楽しめる
歌舞伎を見ていて初心者が楽しめないポイントは「話の内容がわからない…」ではないでしょうか。
歌舞伎では、作品の理解を助けるアイテム・方法がいくつかあります。これらを活用して、歌舞伎の世界を楽しみましょう。
様々なアイテムを活用する
作品によって、初見で作品の内容を理解することが難しい場合も。
「アイテム」を活用することで、作品の内容をわかりやすくすることができます。
- 「筋書」を買う
- 「イヤホンガイド」を活用
- 「ホームページ」「ブログ」などであらすじを確認
歌舞伎の世界では、同じ作品を引き継がれて何度も演じられます。そのため、観劇前に作品のあらすじなどが手に入りやすいという特徴があります。
事前に内容をある程度理解しておくことで、初めての歌舞伎観劇をより楽しむことができます。
「筋書」を読む
筋書きは、劇場のロビーで販売されています。
筋書きとは?
「パンフレット」のことです。
内容:
- 作品のあらすじ・みどころ
- 出演者情報
- 作品に関するコラムなど
「筋書き」を開演前に読むために早めに劇場へ
フライヤー(ちらし)・公式ホームページにも「見どころ・あらすじ」などが載っていますが、筋書きにはより詳しく掲載されています。
事前に読んでおくことで、話の大まかな流れ・見どころなどがわかるので作品が理解しやすくなります。
開演前に読む場合は、早めに劇場に到着するようにしましょう。
古典のお芝居ですと言葉が難しいため、事前にあらすじや見所を知っておくことでより楽しむことができます。
「イヤホンガイド」を活用
会場で機械をレンタルし、「イヤホンで案内を聞きながら舞台を見る」サービスです。
イヤホンガイドの概要
- 1公演700円程度でレンタル可能
- 対象の劇場でないと使用できない
- 事前WEB講座などがセットになったものもある
イヤホンガイドでは公演に関する様々な情報を解説してくれます。
イヤホンガイドの解説内容(一例)
イヤホンガイド:劇場のイヤホンガイド情報、ご利用方法
・歌舞伎、文楽独特の約束事
・登場している俳優の紹介
・物語の歴史や背景やあらすじ
・俳優が演じている役柄(キャラクター)
・なじみの薄くなってしまった言葉や習慣
・聞こえてくる楽器や唄・語りのことば
・大道具・衣裳・鬘・小道具の名前や意味
ストーリーの解説だけでなく、作品の時代背景や見せ場なども詳しく解説してくれます。
「できるだけ作品を丁寧に解説してもらいたい」という方はこちらを活用することもおすすめです。
公演が始まる前から「ガイド」が始まるため、当日利用する予定の方は少し早めに劇場に到着するようにしましょう。
当日の劇場での解説だけでなく、事前にネットで聴講できる解説もあります。
「公演中は観ることに集中したい」という方は、事前講座のみを利用することもおすすめです。
ネットであらすじを調べておく
- 歌舞伎会の公式ホームページに掲載されているあらすじを読む
- 時代物ではネットで時代背景などを調べてておく
- 配役と役者さんの顔を確認
事前のちょっとした下調べでさらに深く理解することができます。
「歌舞伎美人」は公式のHPで、作品の見どころ・役者紹介などが掲載されています。
私も初めて見る作品は、話のあらすじ・作品の背景などを調べてから観劇することが多いです。
「〇〇(作品名) あらすじ」などで検索をすると探すことができるので、ぜひ試してみてください。
様々な方が解説のホームページや解説動画を作成してくれていますので、それらを読んでから観劇するととても分かりやすいです。
観劇する演目の前後を知っておく
歌舞伎では、長いストーリーの一場面のみを上演する場合もあります。
例えば、
仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場
この場合、
仮名手本忠臣蔵という十一段(11場面)ある話のうち、七段目「祇園一力茶屋」という一場面のみが上演されます。
一場面と言っても1時間半以上の見応えのあるお芝居です。
長い話の1場面のみを演じるため、前後の流れを知らないと登場人物の人間関係やストーリーが理解しにくいです。
現在は1日を3部に分けて完全入れ替え制で上演されることがほとんどなため、連続した内容の上演ではなく「場面ごと」に演じられることが多くなっています。
作品の時代背景・演じられる場面の前後のストーリーを知っておくことは更に楽しむ重要なポイントです。
聞いたことのある歴史もの・新作のものを選ぶ
気楽にみられる作品もたくさんあります。
新作のオリジナル作品・アニメやジブリなどをモチーフにした作品も最近では上演されています。
例えば…
- 風の谷のナウシカ
- ワンピース
- 孫悟空
時代物でも、アドリブで現代の小ネタを入れたお芝居なんかも…
歌舞伎と一括りにせず、演目を一つずつ確認してみると興味を持てる作品・面白そうな作品に出会える可能性もあります。
有名な時代劇
時代物でも、みんなが良く知っている「義経と弁慶」や「忠臣蔵」「鼠小僧」などをもとにした作品もあります。
作品の背景を知っていると理解がしやすくなるので、初めて見る作品におすすめです。
役名が実在に人物と異なる?
歌舞伎では役名が時代劇などで出てくる実名とは微妙に違っていて、「あれ?」と思われることもあるかもしれません。
これは江戸時代の頃、実際の社会のことをそのまま演じることは禁止されていたため、言い逃れができるように少し脚色をして役名などが付けられています。
見ただけで役割がわかる
隈取りで役割を知る
知らない作品でも、この役は良い人か悪者かが何となくわかります。
これは隈取を参考にします。
隈取とは、歌舞伎役者さんが顔にしているお化粧のことです。
「歌舞伎」と言うと、このお化粧のイメージがある方が多いのではないでしょうか?
例えば、
- 赤の派手な線がある人が正義感に溢れ、良い人
- 顔全体が赤い人は悪人の家来、乱暴者など
- 青い線がある人が悪者や怨霊
- 茶色は鬼や精霊、妖怪など
のことが多いです。
このほかにも役ごとに様々な種類の隈取りが存在します。
歌舞伎はすべてのお芝居でこのお化粧(隈取)をしているのではなく、普通のメイクのみのことも多いです。
話の内容にこだわらない楽しみ方
お気に入りの俳優さんを見つける
- 美しい女形の方
- 踊りのきれいな方
- かっこいい方
「歌舞伎役者の方を目で楽しむ」という見方で足を踏み入れるのも一つです。
私の具体的な楽しみ方
- 踊りの美しい方が大好きで、「中村七之助さん」「尾上右近さん」がお気に入り
- 大御所のおじさま方もとても美しい所作などで、見惚れてしまうことも
- 現代風にアレンジ・小ネタなど笑いを誘ってくれるお芝居も大好きで、これは「中村勘九郎さん」のお芝居が好み
歌舞伎界は子役から大人のお兄様、おじ様までたくさんの役者の方がいらっしゃいます。
テレビなどで有名な方ですと、市川海老蔵さん、片岡愛之助さん、市川猿之助さんなど、、、テレビで見る俳優の姿・バラエティーの姿とはまた違う姿がみられます。
歌舞伎俳優の方も、テレビ出演・映画出演・ラジオ・イベントなど多方面に活躍されている方が大勢いらっしゃいます。
お芝居はもちろん、それ以外の場所でも楽しませてくれているので、好きな役者さんを見つけるのも歌舞伎の楽しみ方の一つです。
ラフな気持ちで見に行けるので気負わない
歌舞伎は安いチケットもある
歌舞伎のチケットは高いように思いますが、席によって大きく異なります。
1等席 | 16,000円 |
2等席 | 12,000円 |
3階A席 | 5,500円 |
3階B席 | 3,500円 |
1階桟敷席 | 17,000円 |
歌舞伎座の主な公演のチケット代になります。公演によって金額が異なる場合もあります。
多くの公演では1幕で2作品が上演されます。この2つの作品を見る際、一番後ろの席では3,500円(3階B席)とリーズナブルに観劇することができます。
3階席でも双眼鏡があれば表情まではっきり見えますし、歌舞伎座は全体的に明るいので天井の圧迫感なく観劇できます。
後方席は人気のため比較的埋まるタイミングが早いですが、演目や日にちによっては一般でもチケットが取れます。
好きになったら歌舞伎会というチケットを優先的に取れる会員制度もあるので、興味のある方は覗いてみてください。
他の会場でも、後ろの方の席は安く設定されていることが多いので、まずはそちらから始めるのもおすすめです。
劇場によっては極端に見にくい席もあり、金額だけで選ぶとステージの半分以上が見えないということもあります。
会場について調べてからチケットを確保することは、より楽しむためのポイントです。
服装も普段着で大丈夫
1階の前列などでは、上品に着物でいらっしゃっている方もいますが、3階席はリーズナブルに見られる分、気軽な服装で来ている人も多く、敷居も低く感じます。
周りの人に迷惑をかけなければ、服装なども気にしなくても大丈夫です。
様々な劇場で公演が行われている
東京の「歌舞伎座」や「新橋演舞場」、京都の「南座」、福岡の「博多座」などが有名ですがその他の会場でもたくさんのお芝居が行われています。
小ホールや公民館などでも上演されているので、地方にお住まいの方でも気軽に見に行くことができます。
「自分が楽しむ」ことが一番。
みんながそれぞれの楽しみ方を見つけられることが大切です。
「歌舞伎なんて全然知らない、興味なかった」という方が「一度見てみようかな」と思い、「あれ?楽しいじゃん」「私、好きかも」と思う方が一人でも増えると嬉しいです。
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